全国的に「アジフライの聖地」として有名になった長崎県松浦市の松浦魚市場で「アジフライの聖地」宣言による変化をインタビューしてきました。取材日はあいにくのくもり空でしたが、この松浦魚市場で水揚げをしている漁業者としてこのホットな話題をもっと地元に身近な内容でお届けします。
「アジフライの聖地」とは?
2019年4月27日にアジの水揚げ日本一を誇る長崎県松浦市は「アジフライの聖地」宣言を行いました。
松浦魚市場で水揚げされる魚を仕分けし販売する西日本魚市株式会社の松本氏に生産者と荷受人という立場からお話を伺った。
アジフライによる利益を今後、荷受人・生産者へと繋げるために課題となる貴重なお話を聞くことができた。
昨年改装された松浦魚市場だが、松浦魚市開場以来36年、職員の方の胃袋をつかんできた「魚市食堂」も、新装オープンした。
そんな「魚市食堂」でも自慢のメニューは「アジフライ」、おかみさんの坂本義江さんに、お店のこだわりについてお話を伺った。
昨年の改装をきっかけに松浦魚市の新事務所棟に新しくオープンした「大漁レストラン旬(とき)」。このお店の看板メニューもやはりアジフライだそうで、多い時には30分で30食が売り切れるという繁盛店だ。田平出身で以前は自ら平戸市場から仕入れも行なっていたという業界にも詳しい荒山店長にお話を伺った。
大漁レストラン旬(とき)で提供されている「アジフライ定食(750円)」を取材に訪れた全員で食べることができましたので、その様子を写真でご覧下さい。いただいたアジフライは、まさに外がサクサク、中はふわふわでそのまま何もかけずに食べてもおいしく、身が大きくて量があるのにぺろりと食べてしまいました。自分達が良く知るアジフライとはまったくの別物でぜひ皆さんにも一度は食べていただきたい味(アジ)です。
「アジフライの聖地」松浦市で今回私たちが訪れたのは松浦魚市場内だけに限られてしまったが、そこには様々なこだわりを持った料理人が腕を振るう食堂・レストランがあった。
松浦市のPRが功を奏し、アジフライを求めてやってくる観光客も増えている。
「アジフライを求めてやってくるお客様に対し、がっかりさせるわけにはいかない」、「市場で働いている方々には腹いっぱい食べてもらいたい」と、お客様への感謝の気持ちを胸に、日々奮闘されている姿は話の中から容易に想像できた。
また、西日本魚市場株式会社は「高度衛生管理型魚市場」・「開かれた市場」として、これからも「アジの水揚げ量日本一」を維持し続けるとともに、これまで以上に安心・安全な魚を提供する事で松浦市に貢献していく考えを持たれていた。
我々漁業者の多くは、獲れた魚が消費者の口に入る所や、そのときの美味しそうな顔を見る事は難しい。しかし、自分達が漁獲した魚も人々を笑顔にしているということを認識し、日々の活力としながら操業を行い、魚を供給していく事でアジの水揚げ日本一に今後も貢献していく事は出来るのではないだろうか。
最後に、私達素人インタビュアーの質問に真摯にお答え頂いた、松本康明常務・荒山正志店長・坂本義江様に感謝申しあげます。
余談…松浦市はサバサミットの開催地(2018年)となったこともあり、冬場のサバも絶品です。